背景

Claude Code は使いやすい。補完精度も高いし、コードベースの把握能力は現時点でトップクラスだ。 ただ、一点だけ致命的な問題がある——高すぎる。 ヘビーユーザーなら月に数万円を Anthropic に払っているはずだ。

一方で DeepSeek は、ベンチマーク上では Claude に肉薄しながらも、API コストは桁違いに安い。 そして Claude Code は、バックエンドの LLM を差し替えられるようになっている。 この二つを組み合わせない手はない。

コスト比較

モデル Input (per 1M tok) Output (per 1M tok) 備考
Claude Opus 4.7 $5.00 $25.00 Claude Code デフォルト
DeepSeek V4 Pro $0.44 $0.87 約 95% 削減 *

* DeepSeek V4 Pro はローンチプロモ価格(2026/05/31 まで)。通常価格は $1.74 / $3.48 per 1M tok(約65〜86% 削減)。

仕組み

Claude Code は内部で ANTHROPIC_BASE_URL 環境変数を参照して API エンドポイントを決定する。 DeepSeek は https://api.deepseek.com/anthropic という Anthropic 互換エンドポイントを提供しており、 これをそのまま向き先に指定できる。プロキシサーバーは不要だ。

呼び出すモデルは、Claude Code の設定ファイルに ANTHROPIC_DEFAULT_SONNET_MODEL および ANTHROPIC_DEFAULT_OPUS_MODELdeepseek-v4-pro で上書きすることで固定する。 Claude Code 側は Anthropic の API を叩いているつもりのまま、実際のリクエストは DeepSeek に飛ぶ。

手順

DeepSeek の API キーを取得する

platform.deepseek.com にアクセスしてアカウントを作成する。予め $5 ほどクレジットをチャージしておく。API キーを発行し、sk- から始まる値をコピーしておく。

Claude Code CLI をインストールする

以下のコマンドを実行するだけでインストールが完了する。

bash
curl -fsSL https://claude.ai/install.sh | bash

API を DeepSeek に差し替える

API キーを安全に保存するためのディレクトリを作成し、パーミッションを絞った上で書き込む。

bash
mkdir -p ~/.config/deepseek && chmod 700 ~/.config/deepseek
echo 'export ANTHROPIC_API_KEY="sk-your-key-here"' > ~/.config/deepseek/key.env
chmod 600 ~/.config/deepseek/key.env
source ~/.config/deepseek/key.env

sk-your-key-here の部分を手順 1 でコピーした実際のキーに置き換えること。

Claude Code の設定を上書きする

Claude Code が向き先とするモデルを DeepSeek V4 Pro に固定する設定ファイルを作成する。

bash
cat > ~/.config/deepseek/claude-deepseek-settings.json <<EOF
{
  "env": {
    "CLAUDE_CODE_USE_VERTEX": "",
    "ANTHROPIC_VERTEX_PROJECT_ID": "",
    "CLOUD_ML_REGION": "",
    "ANTHROPIC_BASE_URL": "https://api.deepseek.com/anthropic",
    "ANTHROPIC_DEFAULT_SONNET_MODEL": "deepseek-v4-pro",
    "ANTHROPIC_DEFAULT_OPUS_MODEL": "deepseek-v4-pro"
  }
}
EOF
chmod 600 ~/.config/deepseek/claude-deepseek-settings.json

Claude Code CLI を立ち上げる

API キーを読み込んだ上で、作成した設定ファイルを指定して起動する。

bash
source ~/.config/deepseek/key.env && \
claude --bare --settings ~/.config/deepseek/claude-deepseek-settings.json --model sonnet
Claude Code CLI の起動画面。モデル表示が deepseek-v4-pro になっていることが確認できる
▲ Claude Code CLI の起動画面。モデルが deepseek-v4-pro として立ち上がっていることがわかる。

DeepSeek V4 Pro に API が飛ぶか確認する

起動画面のキャラクター下部に deepseek-v4-pro と表示されていれば設定は成功だ。念のため「こんにちは」などのプロンプトを打ち、DeepSeek の Usage 画面の Expenses が増加していることを確認する。

DeepSeek API の管理画面。deepseek-v4-pro モデルに対してリクエストが飛んでいることが確認できる Usage グラフ
▲ DeepSeek API の管理画面。deepseek-v4-pro の API が叩かれていることがわかる。なお deepseek-v4-flash 分は別プロジェクト(OpenClaw)からの呼び出し。

落とし穴と注意点

マルチモーダル利用不可

なぜ Claude Code 拡張機能ではなく CLI で差し替えるのか、と思う人もいるかもしれない。実際、拡張機能側の API も差し替え自体は可能だ。しかし DeepSeek V4 Pro は画像入力に対応していないため、拡張機能の機能を活かしきれない。そのため今回は CLI のみの紹介とした。

データはどこを通るか

コードは DeepSeek のサーバー(中国)に送信される。 機密性の高いコードや業務コードには使わないこと。 個人プロジェクトや学習用途に限定するのが賢明だ。

SUMMARY: 月 $50 払っていた Claude Code のコストが $2〜3 まで落ちた。体感の精度差は正直ほぼない。ただしプライバシーの制約と、マルチモーダルが使えない点は理解した上で使うこと。